mayu-dokusyo’s blog

読書感想文公開用ブログ。ちゃんとした大人の、考察も含めたものにする予定です。

【1冊目】こころ/夏目漱石 第3週

前回の感想文、
文末に「次回で最後」なんて
書いていたのに、
今回までに読み切れなかった。

 

なんという無念。

 

それはさておき、読んだ範囲は
下 先生と遺書 (340~405ページ)まで。

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前回は、
病床に伏せる父のため
国元に帰っている「私」の元に
先生から遺書が届いた。

居ても立っても居られなくなった「私」は
東京行きの列車に飛び乗り、
その移動中に遺書という名の
長い手紙を読み始めた―。

というところまで。

 

まだ辿り着いてはいないが
このあとの展開が部分抜粋として
国語の教科書に載っており、

その展開があまりにも鮮烈で、
抜粋部分の最後にKが死んでしまうシーンを
当時の豊かな想像力のまま
今でも思い出せるほど、
私にとっては衝撃だった。

そして、そのネタバレとも言える場面を
覚えているが故に、
先生の友人であるKがいつ出てくるのか、
なぜあのような展開になったのか、

なぜ先生は「私」に出会うまでの間に
性格が変わってしまったのか。

次々と浮かぶ疑問が
ページを進めるごとにクリアになり、
更に新たな疑問が浮かぶ。

 

叔父に両親の遺産を使い込まれ
人間不信になった先生が、

下宿先の奥さんと娘さん相手なら
やっと心を許せるようになってきた頃
同郷出身の友人Kが登場する。

先生とKは幼馴染であり、
進学のために東京に来た時期も同じなので
少なくとも十数年前から友達だったのだが

先生の手紙にKが登場するのは
なにぶん、先生が心の傷を癒し
娘さんとの恋路も実りそうな気配がある頃なので

私を含む読者は恐らく、
急に出てきたお邪魔虫のように
感じてしまうのではないだろうか。

 

次回、とうとう衝撃のあのシーンを
20数年ぶりに読み返すと思うと怖い。

しかし浮かび続ける疑問の答えを
追い求めて読んでしまう、
抗いようのない、人間の人間らしい魅力。

それこそが、今なお読む人の心に
風を吹き込む夏目漱石の文才であり、
文豪たる所以なのだろう。